人間、好きな物の為にはどこまでも行動出来る物です。
「ナッツ」+「エスプレッソ」+「GODIVA」、私的パワーワード。
この3つのキーワードが揃った時の破壊力は、往復2時間の労力を余裕で上回ります。
(自分では運転しませんが。)
マカロン プラリネをトッピングしたチョコレートとエスプレッソベースのGODIVA監修のフラッペ
https://www.mcdonalds.co.jp/products/43510/
発売前からスマホで偶然目にしてしまった新商品に、まるで娘がスタバの新作だと騒ぐのと同じ温度で浮かれ、心待ちに発売日を待つ。
調べる。540円とマカロン付きが640円、マカロンナッツ味か、外せない。昨年初登場で当初の予想を上回る売れ行きに、早期販売終了?更に期待が高まる。
当日近くのマクドナルドで頼めない事を知り、普段ヘビーユーザーではない私は 「McCafe by Barista」(マックカフェ バイ バリスタ) の存在を初めて知る。
さらにアプリや公式サイトで調べる。少ない。愛知県でも10店舗くらい。
片道一時間弱かけ該当店舗へ足を運ぶ、、、一杯のフラッペ目当てに。
手にしただけで既に幸せ、「 マカロン プラリネをトッピングしたチョコレートとエスプレッソベースのGODIVA監修フラッペ 」。
エスプレッソの味は甘さでかき消されているが、マカロンのナッツの味が後をひき、気持ち的にはとてもとても満足する一品。
、、、満足と同時にふと冷静になります。
美味しいイタリアンや、有名な海老カツのお店ならともかく、何が私をそこまで突き動かしたのか?
普段ハンバーガーならモスバーガーの私がマクドナルドが張り巡らせたマーケティングの網に自ら飛び込みアプリや公式をググりまくり
自分を俯瞰した時に、最近のマクドナルドマーケティング戦略でのV字回復を、自分の身をもって体験した事に気づきました。
マクドナルドは私の中でのイメージもすっかり回復していたのです。
私は、コーラは歯がとける、マクドナルドのお肉にはとんでもない物が入っていると聞いて育ちました。(鬼が出るよと同じですね)
抑圧され膨らんだ期待はあったのですが、友達とこっそり食べたマクドナルドの味は期待を超えませんでした。
それ以来付き合いで行く程度。
しかし近年、冬になると一回はグラコロを食べなきゃと思うようになり、目当てのメニューがあれば快くついていくように。
そんな私はとうとう期間限定、店舗限定マックシェイクを求め自らさまよう程になる訳です。
一昔前の私では考えられない事です。
マクドナルドは一時期地に落ちていたイメージを回復し、見事な経営戦略でV字回復を果たしました。
ここ数十年のマクドナルドのニュースを振り返ってみます。
行き過ぎた値下げによる販売不振
当時の社長、藤田田氏の「デフレ下では値段を下げて需要を創出するしかない」との決断はズバリ的中、勝ち組に。
しかし、乱発した半額キャンペーンは「マクドナルドのハンバーガーは安い」というイメージを完全に築き上げ、「平日半額キャンペーン」を打ち切った際に客離れがおきる
新商品はアメリカ本社のリメイクに留まり、日本独自のメニューが少ない
健康を気にするシニア層を取り込めない
減少していた売上に追い打ち
世間からのバッシング
ナゲットにビニール混入
ポテトに人間の歯
続く異物混入問題で「食への安全」「清潔さ」の信頼損失
日本の外食史上最大級の赤字約350億円
【コスト】コスト・リーダーシップ戦略
- 低いコストを実現する事で競争に勝つ
- 店舗数という強みを生かし、食材調達や加工、販売システムで圧倒的な低コストを実現
- 北海道から沖縄まで同じメニューである事もコスト削減につながる
【メニュー】メニュー・バリュー戦略
- 低価格帯(100円マック ちょいマック等)を充実させながら中価格帯(サムライマック等のグルメ)をバランス良く取り入れる
【店舗】店舗投資戦略
- 2015年不採算店舗・競合の影響が出やすい特定の地域の150店舗以上閉店
- ※このタイミングで従業員の給料を上げモチベーションを上げる
- デリバリーやドライブスルーなどへの対応強化を含めた改装計画
- 新店・近隣のより良い立地に移転・改装・建て替え
【人材】ピープル戦略
- 人材教育への積極投資
- タブレット型のトレーニング教材である「デジタルCDP」などを開発。
- ハンバーガー大学(コロナ禍にはいち早くオンライン化)
【デジタル】デジタル戦略
- コロナ禍直後のアプリアップデートで「モバイルオーダー」機能搭載
- 各SNS(Twitter、Instagram、Facebook、YouTube)の活用・キャンペーン戦略
【テストマーケティング】
- 夜マック 東海三県で試験したのち全国展開
- モバイルオーダー 都心で導入したのち、全国展開
- おもてなし未来型店舗 沖縄で試験導入
【Fun Place To Go理念】「行くと楽しい場所」
- 遊び心を持ってお客様が楽しめるような場を作る 斬新で面白いキャンペーンを次々と実施
- おいしいかどうかより、話題になるかどうか チョコポテトは美味しい・まずいの理論が繰り広げられSNSで話題に
- 2016年名前募集バーガーキャンペーンでTwitterを活用 採用者ハンバーガー10年分 大喜利のような賑わい
- 2021年、今年のTwitter公式アカウントから「あぁー、、、お米たべたい」その3日後にごはんバーガー販売、見事な伏線回収で話題
続けて次々とキャンペーンを打ち出し、黒字へ転換
2019年には売上高5490億円で創業以来最高額
過去最大の赤字を出した2015年、1年かけてサラ・カサノバ社長は日本全国の店舗を回り、顧客から直にヒアリングしボトムアップ型の企業戦略を打ち立てます。
数々の戦略の中でもFun Place To Go理念 という、顧客第一の基本に立ち返り、時代をとらえ、経営を根本から見直した潔さ。
大企業じゃなくても、その精神はどんな業界にも通じる物だと思います。
私の中での悪いイメージがいつの間にか回復していたのも、(何かいつも楽しそうなキャンペーンやってるな)と感じていたからでした。
どんなに大きな流通でもエンドユーザーから利益は流れていきます。
エンドユーザーが買うから小売店があり、小売店が買うから卸業者があり、卸業者があるからメーカーが物を作り流通がまわります。
私どもの業界ですと、クライアントのお客様まで見据えた仕事をする事が、基本に立ち返る事なのだと思います。
フラッペ一杯から、そんな事を考えさせられる一日でした。